AV新法 コラム

AV新法(AV出演被害防止・救済法)による個人撮影AVへの影響について

投稿日:2022年7月6日 更新日:

 

すでにご存じとは思いますが、AV出演被害を防ぐための法律が2022年6月15日に参院本会議で可決、成立しました。

正式な法律名は「AV出演被害防止・救済法(通称:AV新法)」とのことですが、偏った立場の人たちによる急ごしらえ的に成立した法律であることから、その内容については賛成派・反対派、各方面から様々な意見が噴出しています。

元々は「18歳成人」を受け、判断力がまだ充分に養われていない若者をAV出演強要の被害から守るためという大義名分に端を発した問題ですが、この法律により実は誰にも強要されず自ら進んでAVに出演している女優さんに大変な被害を及ぼしています。

そのような状況を踏まえ、このエントリーではAV新法が成立したことにより、個人撮影AVに関わる人にとって今後どのような影響を及ぼすのかについて考えてみたいと思います。

 

AV出演被害防止・救済法の概要

まずは公式に発表されているAV新法の概要を見てみましょう。

※下記の画像をクリックすると拡大してご覧になれます。

 

AV新法 何が問題か

 

この中で注目すべき点を挙げ、それぞれについて想定されること、すでに起こっていることを述べていきます。

(1)公開後に解除できる期間は施行から2年間は2年、その後は1年。
   契約から撮影は1カ月、撮影から公開は4カ月の間隔を設けるよう定め、
   この間も解除可能とした。

この法律の施行日は2022年6月23日とのことですが、施行日から2024年6月22日の間に交わしたAV出演契約または作品の公表から2年以内であれば無条件で解除できる…というものです。

これはAVメーカーにとってはその存続自体が危ぶまれるほどに酷い条件となりました。

せっかく大金を掛けて撮影して発表した作品が、これから2年間(2年後からは1年間)は「いつ女優さんの気が変わるか」予測が付かず、決して枕を高くして寝られない状況が続くわけです。

これはたまったものではありませんから、危機感を持った制作側はさっそく防衛策を講じています。

すでにその被害を被っているAV女優さんもいるようですよ。

 

この他にも複数のAV女優さんが、既に決まっていた撮影がキャンセルされるという憂き目に遭っているらしいのですが、このことに対して2ちゃんねる創設者の西村ひろゆき氏が次のような発言をしています。

 実業家のひろゆきこと西村博之氏が6月21日のツイッターで、AV出演救済法(AV新法)の影響を憂慮した。AV新法の成立により、7月のAV撮影予定が中止になっていると一部報道で伝えられている。

ひろゆき氏は、このニュースに立憲民主党の塩村あやか参議院議員が「まだ施行日ではないし、7月の撮影を中止にできる法律ではありません」「中止にする理由を確認したほうがいいと思います」とコメントしたツイートを引用リツイートする形で持論を展開した。

ひろゆき氏は「AV撮影が前もって契約してから撮影すると信じてた素人政治家が『女優は契約をキャンセル出来るし掛かった費用を払わなくていい』法律を作ったので、AV撮影がキャンセルになりまくりAV女優が困っている図」とツッコミを入れた。

 

これに加え、制作業界からは複数のAV女優が出演する企画モノの制作予定を全てキャンセルまたは白紙に戻すという方針が打ち出されているようです。

理由は言うまでもありませんが、例えばAV女優が10人も一斉に映っているシーンを含むような作品では、仮にそのうちの一人でも「販売を止めて!」なんて言い出したら全てがパーとなってしまうからです。

 

新法施行前の段階でなぜ撮影予定がキャンセルされるのかについては、日本プロダクション協会の担当者は次のように語っています。

「フリーの方(AV女優)は、メーカーからLINEなどでスケジュールを押さえるよう依頼されて撮影しています。メーカーでは、現在の契約で仕事を進めていいのか判断に迷っており、リスクを回避しようと撮影を中止にしたりしているのだと思います。法が成立したのできちんと準備しようとして、混乱しているようですね」

一方で、「プロダクションに所属するAV女優は、営業担当者が準備をしているが、それでも新しい契約書を作ろうとして影響が出てくる」とのことのようです。

 

このように、すでにAV出演にそれなりの実績のある女優さんが撮影キャンセルされている実態に対してコメントを求められた、この法律の成立に深く関わった某議員さんは、「要するに制作側にその女優さんが信用されていないからでは?(法律よりも)そっちの方を問題視したほうがいいと思う」ようなコメントを返しているようです。

要するに「自己責任でしょ?」的な発言とも思えますね。

 

(2)AV出演者は、AV出演契約の解除によって損害賠償義務を負わない

果たしてこんなめちゃくちゃな決まりを国が国民に対して強制していいものでしょうか?

成人がお互いに適正に契約を締結し、それなりの経費を掛けて作り上げた作品があるというのに、出演者の一方的な「心変わり」によって全てが台無しになっても、気まぐれを起こした側に責任が全くないって…。

いったい何の罰ゲームなんでしょうね。

下衆の勘繰りですが、例えば制作会社に何らかの恨みを持っている女優など、嫌がらせや仕返しで出演するAV女優が現れる可能性もあるのではないでしょうか。

ただし、支払われた「ギャラ」については返還義務は生じるようです。

一部の売れっ子女優を除き、AV女優の9割は他の仕事(風俗など)も兼業していると聞きますから、あまり金銭的に余裕のある子は少ないのではないでしょうか。

出演したことに後悔した子は、契約を解除したくても返すお金の用意が出来ずにズルズル先延ばしになってしまうこともあるでしょう。

 

(3)契約書面の交付から1ヵ月間の撮影禁止。全ての撮影終了から4ヵ月間の公表の禁止

聞くところによると、プロダクションに所属している女優に対し事務所からギャラが支払われるタイミングは事務所によって違いはあるものの、早い事務所で「撮影が終わった」当日に現金支給、遅くとも翌月10日に振り込みといった状況のようです。

ところが今回の新法では、「契約書面の交付から1ヵ月間の撮影禁止」ですから、撮影は出演の話が決まってから早くても1ヵ月以上先になるわけです。すると当然ギャラの支払いもその先になるわけで、今まで即金でもらえていたギャラが1ヵ月以上手に入りません。

それなりに売れていた女優さんは、その生活レベルもそれなりに違いありませんから、この先の2~3か月、収入のタイムラグが発生することによって生活が成り立たなくなる可能性が大きいと思われます。

 

AV女優が声を挙げる

 

今回のAV新法成立に対し、声を挙げているAV女優も少なくありません。

例えばこの女優さん。

 

月島さくら Twitter:@sakuratsukisima

 

堀内美香 Twitter:@horiutimikako

 

強要されるでもなく洗脳されるでもなく、自らの意思で進んでAVに出演している女優さんの生活を脅かす新しい法律に異議を唱えるのは当然だと思います。

 

異議を唱えているのは何もAV関係者だけではありません。実は国会議員の中にもこの法律を真剣に考えている人もいるようです。

 

 

わたしは別に立憲の支持者でも何でもないというか、むしろ逆の立場かもしれないのですが、こういう議員さんもいるのだなあと感心しました。

ちなみにFC2の創業者である高橋理洋氏が今回の参院選に立候補しています。何でも、公約は「モザイクを廃止する」だとか (笑)

 

【参院選】FC2創業者の高橋理洋氏が出馬表明「ガーシーさんと立花さんに背中を押された」

 

まずは当選し、ぜひ実現に向けて頑張っていただきたいと思います。

 

 

AV女優の今後は

 

プロダクションに所属しているAV女優は常に入れ替わりがあるものの、2022年5月にAV人権倫理機構(河合幹雄氏)が示したデータでは、1年間の実働女優数は2,000人、それも含めプロダクションに席がある女優の数は実に1万人に上るといいます。「AV女優(Wikipedia)」

一方で、年間のAV出荷数は24,000作品とのことですから、2,000人の実働数で単純計算すると一人の女優さんが1年間に出演する作品は12本となります。

つまりひと月に1本のペースというわけですが、作品の中には企画モノ(女優が複数出演している作品)も多いでしょうから、売れっ子女優さんだと月に2~3本も出演しているかもしれません。

しかし今回の新法成立によって、この騒動が落ち着くまでの間、当面は作品の制作数はかなり落ち込むことが予想されています。

従ってAV一本で生活している女優さんはもちろんですが、特に複数の出演者が必要な企画モノの制作は壊滅状態になるでしょうから、企画単体以下の女優さん達にはほとんど仕事が来なくなるでしょうね。

実働2,000人の女優のうち、9割の1,800人の女優さん達はいったいどうするのでしょうか。

 

個人撮影AV(同人AV)業界の動きは

 

今回のAV新法に関して、わたしと情報交換している個撮AV販売者さん達の反応としては、まるで「他人事」のような反応です。

いや決して他人事ではなく、まさに当事者そのものではあるのですが、あまり意に介していない様子ですね。

というかむしろ喜んでいる人のほうが多い始末です。

 

なぜかって?

そりゃもう、これから当面はモデル探しが楽になるからですよ。

 

Twitterなどで「個撮AV監督」として宣伝活動している人の元には、いわゆる素人モデルさん達から出演の逆オファー(売り込み)があるのは周知の事実ですが、AV新法後は仕事がなくなったプロの女優さん達もそれに加わることが予想されます。

プロの女優さんといっても企画女優なんて、その辺を歩いている10人並みの女の子が大多数ですから、作品の購入者にはAV女優だなんてまるで分かりません。

従って必然的にギャラの金額もダンピング合戦となるでしょう。

 

そうは言っても「モデル嬢の心変わりによって販売中止になったら損害が大きいのでは?」という懸念をお持ちかもしれませんね。

しかしよく考えてください。

わたし達のような「個撮AV監督」の損害というのは、例えばホテル代や通信・交通費、雑費など、作品を作るための全体経費のうちのほんの僅かな金額です。

一番大きなウェイトを占めるギャラは、モデルのキャンセルによって返してもらえるのですから。

仮に10人撮影してその半分もキャンセルされたら確かに仕事にはなりませんが、撮影後のキャンセルなんて、確率からすると多くても100人撮って1人いるかどうかというレベルです。

 

一方、キャンセルするモデル嬢側にしても、いざキャンセルするとなるとものすごい精神力と労力が必要です。

ギャラも返さないといけませんし。

個撮AVは商業AVのように全世界に配信される作品ではありませんから、モデルにとってそこまで騒ぎ立てて行動を起こすメリットはあるでしょうか。

 

というのが個撮AV界隈のもっぱらの反応です。

 

AVコンサルではスルーというわけにはいきません

 

とは言ってもですね。

お金を払ってコンサルに参加いただいているコンサル生さんに対し、先に述べた「スルーしましょう」的な無責任な態度ではいられません。

AV新法に関する対応方法については、わたしの本業の顧問弁護士に相談済みで解決方法も提示してもらっています。

それに伴って新しい契約書が必要になりますが、今後の新法の運用状況を見極めたうえで作成することになっています。

どうかご安心ください。

 

 

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